松本清張原・向田邦子脚本『駅路』。

松本清張ゆかりの地を訪ねる
小倉の取材旅を予定しているので、
このところ、通勤時には清張本も読んでいる。


というタイミングであったので、
先ほどテレビで放映されていた
松本清張原作で向田邦子脚本の「駅路」を観る。


原作は20数ページの短編だというから、
かなり脚色されているのだろうが、
ものすごくグッときたのは
おそらく向田邦子によるところが大きいのかもしれない。


男と女の、ふとした、ぞっとするような出来事もさることながら、
昭和が平成に変わる前夜であり、
新年を迎える直前の、どこか物哀しい空気が
作品の全体に漂っていた。


あたしは、向田邦子が描く
何かが取り残されていくときの
あの何とも言えない風景が怖い。


その瞬間や現場に立ち会うことを余儀なくされて
自分が一人の人間としてものすごく弱く危うい存在だと
再認識させられるのも、きつい。



向田邦子の孤独への対峙の仕方は、
あたしをいつも凹ませる。


あんなに優しくて、あんなに強く
人は生きられるのかと、自分がただ恥ずかしい。


好きな作家というのではなくて、
凄すぎる作家で、畏敬の念を払わずにはいられない。


作家に対してそういう言い方は陳腐すぎてまた反省だけど、
向田邦子的作家は、向田邦子しかありえない作家だと思う。


しかし、役者もしかり、
昭和のドラマの質は高すぎるというか、
今のドラマの質が低すぎるのか、
いや、つまり視聴者の質が低すぎるのだろう。


つらいっす。




あ、ドラマの中の写真が
むちゃくちゃええなあとみていたら、
平間至撮影の写真であるようであった。


こういう丁寧な作りも、
さすがに昭和の向田ドラマでもある。


観てない方に言っておくと、
土曜サスペンスのスナップ写真と
似て非なる小道具写真でありました。およよ。


























この記事へのコメント

mint2
2009年04月12日 00:28
あおやまさんっ!!
ああ、ウレシイ!私もテレビみておりましたー。
やっぱり向田さんだなあと感じたところは、木村
多恵演じる従姉妹の性を象徴的に描いたところ
でしょうか。杉山さんの演出の表情一気撮りに
ぐっときました。
携帯やパソコンがあればこの密愛は・・・・と
つい思いがちですが、あの時代だからこそ二人は
愛を静かに育てられたのでしょうね。
写真は平間さんの写真だったのですねー。(^^)
「NO MUSIC, NO LIFE」のタワレコの写真が
好きでしたー!!!
nao
2009年04月14日 22:19
私も見てました。写真はいうまでもなく、それ以外に私が印象に残ったのは、木村多恵が震えながらタバコを吸う時の指のマニキュアの先がはげてたとこ。それが、あの女性の生活観、人生観を象徴してる気がしました。あとは冷静だった奥さんが取り乱した時の「くやしいー」の言葉もね・・・ほんとに旦那をなめてたんだろうなって。
あおやま
2009年04月18日 09:23
mint2さん、お体大丈夫でしょうか。あまり無理されないように、週末はゆっくりしてくださいね。

エンディングのクレジットで、何のかはみてなかったけど平間至って文字が目に入って、もしかして、他にもいてはったらあれですが、たぶんあのお写真やろうなあと推測した次第。演出もしぶかったですねー。

考えたら向田ドラマを私はほとんど観ていなくて、いやはや、向田邦子のドラマ強化月間したいほどですー。
あおやま
2009年04月18日 09:27
nao、私もあの赤いはげはげの指先が、もっとも印象的でした。さすが、悪友兼親友(笑)。十朱幸代、あたしの中では「櫂」が最もずんときてたけど、今回もかなりやった。十朱さん、すごいっす(怖)。ほんで、もちょっとで時間できそうやし、そろそろいきましょうねー。
aosora
2009年04月22日 21:53
駅路だと思います、タイトル・・・
あおやま
2009年04月24日 01:43
aosoraさん、ほんまですやんっ!! ひぃ!

大至急(遅すぎますけど)修正いたします。ご指摘ありがとうございました!!

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