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zoom RSS 西加奈子さんと地元の本屋。直木賞、おめでとうございます。

<<   作成日時 : 2015/01/16 11:54   >>

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西加奈子さんが直木賞を受賞された昨夜、
ツイッターでそのことに触れるツイートを読んでは涙ぐんでいた。
彼女のファンである読者はもとより、
こんなに日本中の本屋さんから愛されている作家も珍しいだろう。



受賞のインタビューで最後にひと言。というところで、
彼女は小説と、小説に出会える本屋さんについて言葉をつくした。
彼女自身が、作家としてのその前に一人の読者として
小説に勇気づけられ、めっちゃ面白いと驚き感激する。
本屋さんに行けばそういう出会いが待っている。
だから本屋さんで本を買って欲しいと。
涙が出た。



昨年の夏、西加奈子さんの小説『円卓』が映画化された。
それにあわせて、『西加奈子と大阪の本屋』という小冊子が発行された。



大阪アメリカ村にあるスタンダードブックストアの中川さんが、
せっかくなので西加奈子さんを応援しようと声を上げて、
それに大阪の本屋さんたちが次々と賛同して誕生したものだった。
このあたりはミシマ社のミシマガジンで新居さんがレポートしてくれている。
http://www.mishimaga.com/hon-kobore/032.html



リンク先の写真の奥の方で青いシャツを着てわたしも映り込んでいるが、
なんとなくのご縁があって『西加奈子と大阪の本屋』の編集を担当した。



出版社に勤めていた頃も、編集担当として本屋さんとは接していたが、
編集というのは、販売担当と本屋さんほどの密さは持っておらず、
わたしにとっては、初めて本屋さんとじっくり話すといういい機会ともなった。
何度も皆さんと顔を合わせるうちに、或いは、校正のやり取りをしながら
もっとも感じたことは「街の本屋さんは、とにかく忙しい」ということだった。



仕事の拘束時間も長いし、
現場でやらねばならないことは山が崩れるほどある。
引越などで感じたことがあるように、本というのは重い。
扱う商品が重い現場は、肉体労働の現場でもある。
これは別の場所で耳にしたが、
本屋さんの賃金条件は一般的に低いのだそうだ。
なぜなら「好きなものに触れる仕事だから」というエクスキューズが
経営者側にあるらしい。
だから、給料が安くてもいいだろう。と経営者は考える。
給料が安いのも仕方がない。と雇われる側は受け入れる。
でも、本屋さんの仕事は本当に大変で、
好きだからできる仕事ではない。
やっぱり仕事だと割り切っているから、できるはずだ。



それでも、本屋さんで働くほとんどの人は、
仕事と割り切る部分と割り切れない部分を抱えながら
やっぱり本が好きで働いている。



そんな本屋さんたちが、なぜ西加奈子さんを愛しているのか。
それは西加奈子さんが本と本屋を愛しているからだ。
受賞のスピーチの最後にひと言で、彼女が語ったのは、
いま小説の書き手が本当に充実している。
自分も読者として小説を読んで励まされたりしている。
小説を読む面白さを知って欲しい。
その小説(本)と出会う本屋さんで、本を買って欲しい。
どうぞ本屋さんに行ってください。
というようなことだった。


作家の言葉ではあるが、
なにより小説(本)を愛する読者の言葉として
びりびりと胸を奮わせた。


本当はマイ西加奈子ベストについて書くつもりだったが、
長くなったのでまた改めます。


『西加奈子と大阪の本屋』(大阪の本屋発行委員会編/140B発行)は、
西加奈子さんの入門書としても面白いです。
http://140b.jp/blog3/2014/06/p1078/
西さんと、芥川賞作家の大阪人である津村記久子さんとの対談や、
津村さんの全作品コンプリレビューもあるので、そちらもぜひ。


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