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<<   作成日時 : 2007/08/24 09:02   >>

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『逃亡くそたわけ』『袋小路の男』と絲山秋子を続けて読む。

2冊とも140Bのオオサコ文庫(単行本だけど)。
というのは、私は前に
絲山秋子を何かで試しにペラめくりしたものの
またの機会に…と疎遠になったので、
もはや本屋でわざわざということはなかったのだが、
ついついオオサコ文庫で再び立ち読みし…
やってきた又の機会が今回だった。

で、
わーわーわー、むっちゃオモロイ。と興奮した。

文体、構成、言葉などなど、
この人、すごい自由な人やなあ、と嬉しくなったのだが、
一番に、後口がいい作家だと、あたしに対して思う。
こういうのは好みがダイレクトに反映されるので
この後口の味や香りは、あくまであたしにとってなんだけど。



ちょっと前に20年ぶりに林真理子強化月間を展開し、
やっぱりこの人も、巧い人だなあと、は、思った。
女のグロさに対して、斬れまくるフレーズは
さすが、と思いながら、
何に対して、さすが、なのかは、よく分からなくなった。

なぜか、作品の残り5分の1くらいまで進むと
そのフレーズが重たく感じる。
小気味良いと思えた言い回しが、どろりと重たく感じる。
そのしつこさというか、
あまりの粘着質な文章で
怖くなるまでの何かの執着心というのが、
林真理子の林真理子たるゆえんであると思うが、
私にはしんどくてついて行けない。

そのしんどさは、
女友達の愚痴を聞いているときのしんどさにそっくりで、
もうそろそろ帰りたいし、その気配を察知できるでしょ、
ていうか、あんたそんなんも気が付けへんから男にふられるねん!
とかいう感じにも近い。

女は女に厳しく、女ゆえに甘えるけれど、
その甘えには計算がある。

あたしは勝手にそんな風に林真理子の本にしんどさを感じ、
「えと、また15年後に飲みにいこうね!」と
いい加減な口約束をして、別れたのであった。

今回の発見としては、
そのもはや怨念のようなある種の限定された、ではあるけれど
「女」というものの洗い出し作業がばちりとはまる作品もあった。
林真理子は、林真理子の分身として描く主人公よりも
誰か全くの他人の中に林真理子を見つけるほうが
面白いし深いように思った。
そういう点では『女文士』は面白かったし、
昼ドラの「貞操問答」とか「真珠夫人」の菊池寛に
まったく負けておらず、いや、これこそ!と思うのであった。
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「死の間際まで艶聞にまみれたスキャンダラスな女流作家」
眞杉静枝の軌跡を辿った小説。
愛人・武者小路実篤やら、いろんな人が出てきて
そんなのも面白い。


それにしても、
林真理子原作ってなんでゴールデンなの?
昼ドラの方が、ばっちしハマると思うんだけど。
『anego』もそうだけど、
ゴールデンにいくと、
林真理子のドロッとした特徴が全く消えるし、
原作はもはやミステリーに近い恐ろしい話で
ゴールデンなら「世にも奇妙な物語」で、
でもやっぱり昼ドラだろう、と思う。
そっちの方が、読み手も観客にも長年のファンが多いんだから。

そうなんだよなあ、あのしつこさって
35回連続の昼ドラでみる「その欲望、どこまでー」
という感じに近い。
そゆのが書けるっていうことには驚嘆せざるを得ない。
相当の強靱な精神と肉体、
あるいは、相当きついコンプレックスがないと、
ちょっと難しいだろうな。


ともあれ、同時期に絲山秋子を読んで、
絲山秋子も女のいやらしい部分を書いてはいるんだけど、
もっと知的に感じた。
いや、絲山秋子が描く女の方が
キャラ設定において稚拙な女なんだけど、
でもなぜかあたしには好感が持てる。
まあ、どちらの作品に登場する女も
絶対に友達になりたくないタイプだけど。
でもまだ絲山秋子の描く女の方が可愛い。
いやいや、可愛いか? うーむ。


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林真理子 女文士
女文士 (新潮文庫)/林 真理子 ...続きを見る
ピースな本のバイブスで。
2007/09/14 09:57

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
ただいま林真理子の「ミルキー」の途中。
やな女だけど、めっちゃそれわかるわ〜的な女子の短編わんさか(笑
私はこういうの好き、ふふ。
saki
2007/08/24 09:42
おあやまさーん。くーっ。
絲山秋子と林真理子の考察おもしろすぎて2回読んでしまったわー。
絲山秋子はエッセイも気骨あって、背骨に鉄板入ってるけど、どこかふんわりした温かさの文章です。うまいよね。林真理子のあのどろどろさをかくも見事に表現されて、うなりましたわー。アンアンを最後のページから読ませる女、文春のエッセイもなぜか気になり立ち読み。小説はときどき、えっと思うような荒っぽい表現(いい加減という意味)もあり、同じ言葉の羅列や、なかなか美しい日本語とはいえない場合も多いのに、うっまいよね〜。しかし、どっちとも友達にはぜったいなられへん。以前フォーシーズンズホテル椿山荘で林真理子を見かけました。こ、こ、これが・・とっても控えめ(ようは地味)な人でした。某海外コーディネーターによると「目を見て話せないシャイな人」とのこと。うーん。他人の目をしっかり見てコミュニケーション取れないってところに、林真理子の小説の魅力と粘着質ぶりが現れているような気がいたしますがどうでしょうか。ってもう5000字になってるか?!
ちなみに香港は8月31日から4泊です。いくぅ?
香港的ヤボ貧女
2007/08/24 11:05
sakiちょんぱ(なつかしいー。ていうかぶらっきー)
sakiは女同士のややこしい部分を持ってないから
きっと面白いねんよ。
わたしなんか、根本的にどろどろしているから
きっとしんどくなるんやわ。なんて思ったよぉ。
あおやま
2007/08/24 14:03
松澤さま
だれが「ヤボ貧」やねんっ。と突っ込んでしまいました(笑)。
そうなんですね、「目をみて話せないシャイな人」なんですか。
やっぱり、あれぐらいのしつこい文章を書こうと思うと
そういう特殊な部分がないとダメなんかもしれないですね。
うーむ。
そういや、高村薫さんは、お酒飲まないと
話できないみたいなことを聞いたことあります。
脳みその構造が違うんでしょうねえ。
でも、私もお酒飲まな生きていけませんけど(えっ?)。

さておき、31日って来週ですやんっ。
無理ー。でも行きたいー。
でも、現在の経済事情では九龍城に
段ボール持ちこむ感じでしか泊まれません(泣)。

あおやま
2007/08/24 14:18
林真理子について一言。あたしもアンアンも文春も新書もやっぱりチェックしてしまう。林真理子の小説の中では美人もブスも、「自分大好き」な女がわんさか。モテ女は謙虚なふりしてても、ブスは悲劇のヒロインぶってても、両者とも確信犯的に自分自慢、自己愛で。ほんとに、女の嫌なとこをこれでもかって見せられてる気がする。そういう嫌なとこが自分の中に多少あること、隠しててもあることを気づかされるから、林真理子は女から受けるのかなって思う。それが女!って開きなおる林真理子の書くものに「嫌なやつ」の嫌悪感と「あるよな」の同調を持つあたしは、ついつい手が出て、そこに自分の嫌な一面を垣間見た気がして、でもやっぱり「こんなやつは嫌だ!」な気分になる。男にああいう女を書かれたらむかつくと思うなー、っていうか書かれたら怖いよ。「あっ、ばれてます?」みたいな。「女文士」は出版社受けはよかったけど、一般には全く売れなかったらしいよ。やっぱり見るとこが玄人だーねー。
nao
2007/08/25 23:35
ちょうど今naoのことふっと思い出しててMac立ち上げたからびびった(笑)。
しかも、マーティーズ・イメージのnao&のーじのこととか思い出して、いつまで経っても切ないものは切ないねんなあ、なんて思わずに、時間とともに切なくなくなるのが、切ないなあと思ってたからさ(笑)。 林真理子については、naoの意見、まったくその通り過ぎて、しかもnaoっぽいからまた笑けたわー。「女文士」はやっぱり昼の連ドラするべきやと思うねん。原作も売れるし。ていうか、私の得になるわけちゃうけどさ(笑)。ちなみにいま、宮本あや子の「花宵道中」。読んだ?好きじゃない?文体もかなり好きです。まだ読んでないけど、西條奈加て人の「烏金」も読みたいと思ってます。立ち読みしたけど面白そうやねん。今日は図書館で神戸の歴史本を5冊くらい借りたから、それと平行して読んでます。だから余計に、江戸もんとか欲するのかな。naoなに読んでるの?
あおやま
2007/08/26 00:34
思い出してもらってたなんて光栄であります!(あたしの敬愛する女部長的)マーティンズ・イメージはええ店やったよね。昔読んだ本に「人間は忘れる生き物」っていうフレーズがあって、ほんとにそうなんだろうけど、当時はあんなに忘れたかったこと(かっこ悪いことや情けないこと)も今となっては忘れたくないくらいあたしをつくる血肉となってるように、「忘れない」じゃなく「覚えている」ことはとっても愛おしい作業なんだと思う。マーティンズ・イメージもずっと覚えとこうよ。さてさて、えらい江戸やん。神戸歴史本で江戸?昔つながり?でもたしかに、吉原遊女とかは好きな題材やね、お互い。未読だけど必読しとく。今は江國香織「がらくた」。江國こそ合わない、あたしとは。そう思いながらやっぱり読んでる。江國論また今度しよう。「太陽の塔」も手元にきたからね。吉田修一「悪人」もひかえてるし。図書館は返却期限あるから、多忙なの。あたしの理想は涼しいとこで、ひとりで、上げ膳据え膳で、読書三昧。希望は健康な入院!
nao
2007/08/27 23:25
吉田修一の「悪人」は読みたいわあ。
私も資料などは図書館で借りるんだけど、
返却期限があると、積ん読しないしいいかも、とわかりました。
毎日1冊は本を読む生活だったのに、
ここ1年、読みたい欲にむらが出て、
今年の前半なんて3カ月ぐらい読めない時期がありました。
一人暮らしでなくなったせいもあるけど。
読もうと思っても読めない。どうしても頭に入ってくれない。
なんか、そういう時期もあるんだなあと今は思うけど、
そのときは焦ったよ、なんだか。なんでだろうーって。
本を読むには読む精神状態が要るように思います。
今は割にいい感じで読めてます。そゆのも面白いね。
あおやま
2007/08/28 15:35

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